kochimaru8127’s blog

訪問看護師の想い出。

家出したのよ

高級住宅地と呼ばれる所の患者宅に行っていた時。

突然、患者さんの奥様が喋り始めたんです。

「私ね。家出した事あるのよ。もうねぇ、何もかも嫌になってしまって…。そしてね。急に腹が立ってきて、毎日がバカバカしくなってね。

もう、こんなの嫌だ❗って、思ったのよ。」

笑いながらですが…本当にそうだろうなぁ。とか、思う訳です。

旦那様は癌の末期にプラス認知症…。

子供さんは別居の男の子が二人。

勿論、もう家庭を持たれて生活をされているんです。

誰に何を頼るとか、お願いするとか・・

そんなのって、なかなか出来ないものなんです。

自分一人で毎日格闘中。

そりゃそりゃあ~なりますよ。

で、家出となるのですが、少し離れた市の高級ホテルに泊まったそうなんです。

ホテルから息子さん達に電話➰

「お母さんは家出しま~す」

(笑)

慌てませんか?

誰が認知症の癌の末期のお父さんをみるんですかね??

お母さんの有り難みと、存在意義と感謝が湧いて来ませんか……。

 

聞いた私は、それはたまには良い事かもしれないと思いました。

私達が最大に関われても週に3回。

1時間程度です。

法律でそうなってしまっているんですから、仕方ないんですよね。

 

自費なら際限無く出来るかもしれないけれど、癌の治療にも、お金がかかりますし。年齢と共に収入もダウンしていきますから。

 

私は、妻であるY子さんに伝えました。

たまには、介護者や家族の休養も必要。

楽しめたのなら、充分じゃないか…と。

「そう?美味しいものいっぱい食べたし、お酒も飲んじゃったわ~もう、翌日の夜まで帰って来なかったの❗スッキリしたのよ~」との事でした。

小さな息抜きに、看護師だって使って貰えれば良いなぁ。と感じました。

家族の代わりは居ないけれど、介護や看護の代わりは存在するのです。

情報をしっかり握って貰えれば利用して貰えると思うのです。

キッカケは小さくても、大きな意味が残るんじゃないかな。

頑張って~~

在宅応援メンバー達。。。

*付け加え・・・

このお宅で、毎回頂いた柚子のジュースが美味しかったです。。(〃_ _)σ∥

小瓶でした。*

それでは、また